
VSCode(Visual Studio Code)でC/C++言語の開発をしてみたいんです。
C/C++開発環境の構築は思ったほど難しくないと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
但しVSCODEを初めて触る場合は【VSCODE】日本語化とHTML+CSS+JavaScript開発環境構築ノウハウを参考に「インストール手順」と「日本語化パックのインストール」を実施しておいてください。

環境
Windows10 Home(64bit)1903
Visual Studio Code 1.44.2
C/C++ 0.27.0(VSCODEプラグイン)
この記事で解決できること
- VSCodeでC/C++開発環境を構築する方法がわかる。
関連記事
【VSCode】日本語化とHTML+CSS+JavaScript開発環境構築ノウハウ
【Sourcetrail】ソースコードを可視化する(VScodeと連携させる)
C/C++開発環境のインストール
①C/C++開発環境のExtensionを検索しインストールする
左端の「Extensions」アイコンを押し、検索ウィンドウに「C/C++」と入力しリターン。MicrosoftのC/C++開発環境が見つかるので「Install」をクリック。
②MinGWをインストールする
【MinGW】無料のC/C++プログラミング環境をインストールしようを参考にWindows用のC/C++開発環境(コマンドライン)をインストールする。
この手順通り進めると「C:\MinGW」にMinGWがインストールされます。それを前提に以降の手順を進めます。
③ソースコードを置くフォルダ(任意)を作成する
例えば「C:\clang」というフォルダを作成。メニューから「ファイル」→「フォルダーを開く」を選択し「C:\clang」を指定。このタイミングでは何も起こりませんが④⑤⑥の手順を進めることで「C:\clang\.vscode」というフォルダが作成され「c_cpp_properties.json」「tasks.json」「Launch.json」という3つの設定ファイルが作成されます。「*.json」というファイル形式を見てカンの良い方はピンと来てるかもしれませんが VSCodeは「Electron/JavaScript
④IntelliSense設定
「F1」を押して開かれるコマンドパレットに「C/C++ edit」と入れると「C/C++:構成の編集(UI)」が見つかるのでクリック。
初期値で「Win32」が用意されているがVisualStudio向けコンパイラ「cl.exe」のパスがセットされているので「MinGW」向けに新規構成を追加するため「構成の追加」をクリック。
「MinGW」と入力し「OK」をクリック。
構成名が「MinGW」に変更された。
コンパイラパスに「C:\MinGW\bin\gcc.exe」を指定。
コンパイラ引数はデフォルトのまま(いじらない)でOKです(高度な使い方をするときに別途解説します)。
IntelliSenseモードを「gcc-x64」にしました。私の環境がWindows10(64bit)のMinGWを使っているためこの設定になります。Windowsは「msvc-x64/msvc-x86」Linuxは「gcc-x64/gcc-x86」Macは「clang-x64/clang-x86」になります。
パスを含めるにヘッダファイルのパス「C:\MinGW\include」を2行目に追記します。1行目の「${workspaceFolder}/**」は消さないよう注意してください。これを消しちゃうと「C:\clang」に置いたヘッダファイルを探せなくなります。
定義、C標準、C++標準はデフォルトのまま(いじらない)でOKです(高度な使い方をするときに別途解説します)。
ここまでくると「C:\clang\.vscode\c_cpp_properties.json」が生成されます。中身はこんな感じ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 |
"configurations": [ { "name": "Win32", "includePath": [ "${workspaceFolder}/**" ], "defines": [ "_DEBUG", "UNICODE", "_UNICODE" ], "windowsSdkVersion": "10.0.18362.0", "compilerPath": "C:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio/2019/Community/VC/Tools/MSVC/14.23.28105/bin/Hostx64/x64/cl.exe", "cStandard": "c11", "cppStandard": "c++17", "intelliSenseMode": "msvc-x64" }, { "name": "MinGW", "includePath": [ "${workspaceFolder}/**", "C:\\MinGW\\include" ], "defines": [ "_DEBUG", "UNICODE", "_UNICODE" ], "windowsSdkVersion": "10.0.18362.0", "compilerPath": "C:\\MinGW\\bin\\gcc.exe", "cStandard": "c11", "cppStandard": "c++17", "intelliSenseMode": "gcc-x64" } ], "version": 4 } |
⑤Buildの実行
メニューから「ファイル」→「新規ファイル」を指定します。
「Untitled-1」という未保存のファイルが出来るので以下のように「Hello World.」を表示するC言語のプログラムを書きます。この段階では文字は灰色です。
1 2 3 4 5 6 7 |
#include <stdio.h> int main( int argc, char** argv ) { printf("Hello World.\n"); return 0; } |
メニューから「ファイル」→「保存」を選択。ファイル名を「test.c」にして「保存」をクリック。
C言語のプログラムを記述するファイル「*.c」で保存したところ、型名は青、予約語はピンク、関数名は薄黄色のように色分けされました。
「F1」を押して開かれるコマンドパレットから「C/C++:アクティブファイルのビルドとデバッグ」が見つかるのでクリック。
続いてコンパイラの選択が求められるので「gcc.exe - アクティブファイルのビルドとデバッグ」をクリック。
「ターミナル」タブにメッセージが表示され...。
「デバッグコンソール」タブに切り替わり「Hello World.」が表示されます。ここまででコンパイルと実行ができました。
ここまでくると「C:\clang\.vscode\tasks.json」が生成されます。中身はこんな感じ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 |
{ "tasks": [ { "type": "shell", "label": "gcc.exe build active file", "command": "C:\\MinGW\\bin\\gcc.exe", "args": [ "-g", "${file}", "-o", "${fileDirname}\\${fileBasenameNoExtension}.exe" ], "options": { "cwd": "C:\\MinGW\\bin" } } ], "version": "2.0.0" } |
⑥Debuggerでプログラム実行
左の「実行」アイコンをクリックし「launch.jsonファイルを作成します」をクリック。
「C:\clang\.vscode\launch.json」が開かれます。”program”と”miDebuggerPath"を自分の環境に合わせて書き換えます。
こうなります。”miDebuggerPath”にgdb.exeのパスを指定するときに”\”ではなく”\\"で区切る必要があることに注意してください。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 |
{ // IntelliSense を使用して利用可能な属性を学べます。 // 既存の属性の説明をホバーして表示します。 // 詳細情報は次を確認してください: https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=830387 "version": "0.2.0", "configurations": [ { "name": "(gdb) 起動", "type": "cppdbg", "request": "launch", "program": "${workspaceFolder}/test.exe", "args": [], "stopAtEntry": false, "cwd": "${workspaceFolder}", "environment": [], "externalConsole": false, "MIMode": "gdb", "miDebuggerPath": "C:\\MinGW\\bin\\gdb.exe", "setupCommands": [ { "description": "gdb の再フォーマットを有効にする", "text": "-enable-pretty-printing", "ignoreFailures": true } ] } ] } |
プログラムの5行目の5という数字の左側をクリックすると「ブレークポイント」が設定できます。「ブレークポイント」とはプログラム実行時に一時停止(ブレーク)する行のことです。
「実行」ボタンを押すと…。(F5ボタンでもOK)
デバッグはこのアイコンで制御します。左から「実行」「ステップオーバー」「ステップイン」「ステップアウト」「再起動」「停止」です。今回は「実行」を押して終了します。
まとめ
VSCodeのC/C++環境構築を行い「Hello World.」の実行まで行いました。この後はC言語の入門書などを参考にいろいろプログラムを作ってみると良いと思います(当ブログでも各種プログラムの実験記事を書いていきますので、ぜひ見てって頂けるとありがたいです)。
関連記事
【VSCode】日本語化とHTML+CSS+JavaScript開発環境構築ノウハウ
【Sourcetrail】ソースコードを可視化する(VScodeと連携させる)